紫式部ゆきめぐり 紫式部と藤原為時一行が辿った道に、想いをはせる「紫式部の旅」- 宇治 / 大津 / 越前 -

Day. 1

10月18日 午前京都府宇治市 宇治上神社

出立の儀

宇治上神社の祭神は応神天皇と仁徳天皇・菟道稚郎子兄弟。本殿は平安後期の建物で、現存する日本最古の神社建築です。拝殿は鎌倉時代の寝殿造り様式が残り、境内には宇治七名水の一つである桐原水が湧いています。
今回の旅では宇治上神社を藤原為時邸と見立て、旅立ちの儀式である「出立の儀」を行います。

10月18日 午前京都府宇治市 宇治公園

国司行列

出立の儀を行った行列は、藤原宣孝に見送られ、宇治上神社を出発します。
宇治川の中州に浮かぶ塔の島・橘島(中の島地区)と宇治川の左岸にあるよりみち公園からなる宇治公園を目指し歩きます。

10月18日 午後滋賀県大津市 石山寺境内

石山寺参詣・国司行列

古来より観音霊場として信仰を集めた石山寺には、平安時代、貴族や女流文学者が盛んに参詣しました。紫式部もその一人で、滞在中にびわ湖に映る満月を見て『源氏物語』を書き出したと伝わっています。現在も本堂の一角には物語を執筆した部屋とされる「源氏の間」があります。
今回の旅では、国司行列一行が旅の平安と、為時の仕事成就、紫式部の将来の幸せを祈るために、石山寺を参詣します。

10月18日 午後滋賀県大津市 サンシャインビーチ

船出の儀

京の都から逢坂の関を越えて広がるびわ湖は、古代より湖上の交通路として活用されていました。紫式部も越前守となった父・為時とともに越前国に向かう際には、打出浜から出発して、びわ湖を渡ったと伝わっています。
今回の旅では、サンシャインビーチを打出浜と見立て、「船出の儀」を行います。

Day. 2

10月19日 午前福井県敦賀市 氣比神宮

境迎えの儀・国司行列

越前国の一宮 氣比神宮。「延喜式」によると、氣比神宮は松原客館の管理、監督を任されていました。松原客館などでは、大陸からの使者をもてなす際に、漢詩の贈答が行われており、学者である藤原為時が越前守に任じられた理由と言われています。また菅原道真も氣比社参拝のため敦賀を訪れ漢詩を残しています。
今回の旅で、国司行列一行は氣比神宮境内を行列し、在庁官人が新しい国司を迎える「境迎の儀」を行います。

10月19日 午後福井県南越前町 鹿蒜神社

鹿蒜神社参拝

鹿蒜神社は、延喜式神名帳にも記載されている古くからある神社です。養蚕と駅地の神として崇拝され、近くの帰山とともに広く知られています。紫式部も鹿蒜の地について2つの歌を詠んでおり、紫式部とゆかりが深い地です。
今回の旅では、国司行列一行が鹿蒜神社を参拝し、国府を目指す最後の地として旅の安全を祈願します。

10月19日 午後福井県南越前町 今庄宿

国司行列

今庄宿は北陸随一の難所を背にし、峠越えの道が全て集まることから北陸の玄関口として栄えました。現在残る今庄宿は江戸時代にタイムスリップしたようなまちなみを見ることができます。
今回の行列では、鹿蒜神社を出発した国司行列一行が北陸道を歩きます。

Day. 3

10月20日 午後福井県越前市 総社大神宮

国司行列

総社大神宮は国司の巡拝、奉幣のために神々を一社にまとめて創建された神社です。総社大神宮がここ越前市に創建されていることは、越前市に国府があったと言える証拠の一つです。
国司行列一行は、総社大神宮を出発し、越前市役所前の国庁に見立てた舞台に向かいます。
越前市での国司行列隊は、今回の旅の中で最大規模で、藤原為時や目代など6人が騎馬で登場します。

10月20日 午後福井県越前市 市役所庁舎前広場

着任の儀

越前市役所周辺は、古代には国府として、中世には府中として、越前国の政治・経済・文化の中心として発展してきました。
その証拠として平成29年の越前市役所新庁舎建設に伴う発掘調査では、府中城のものと考えられる石垣が見つかりました。現在でも敷地内で発掘された石を使って再現された石垣を見ることが出来ます。
越前市役所庁舎前広場に、今回の旅の終着地である国庁に見立てた舞台を設置し、「着任の儀」を行います。